君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
クレープカフェ頑張ってるかなぁ。
一緒にやりたかったなぁ。
あ・・・そういえば、美希ちゃんはいつ告白するのかな。もう、告白したのかな・・・。
大丈夫とはわかっていても、また二人きりのところを想像すると、胸がチクっとする。
大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせながら、音出しをしていた。
色んな楽器の音が武道場に響き渡る中、一人の部員の子が私のところへ走ってきた。
「鈴ちゃん、水瀬くんが呼んでるよ」
「え、奏が?」
「鈴、先にお披露目みたいだねっ。まだちょっと時間あるし、行っておいでよ」
「あ、うん。ごめんね、言いに来てくれてありがとう。蘭ちゃん、ちょっと行ってくるね」
伝えに来てくれた子にお礼を言って、武道場の入り口へと向かった。
「奏、どうしたの?」
入り口の端に立っていた奏に声をかけた。