君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
奏side.
「うんっ。奏も楽しんでっ、じゃあね」
ふわりと風に揺れるブラウンの髪。透き通るような白い肌にクリッとした大きな瞳、まるでさくらんぼのような艶っとした赤い唇。
太陽みたいな笑顔で手を振る鈴に、俺もスッと手を上げた。
なんだよあれ。
可愛いすぎだろ・・・。
他の男にも見られんのかよ。
自分の顔が歪んでるのを感じながら
クシャッと少し汗に濡れた前髪を掴んだ。
「おーーっ今日も可愛いね!鈴ちゃんっ」
そう言いながら、俺の肩に腕をのせてきたのはガキの頃から仲の良い勇也。
黒髪で短髪のさわやかイケメンはニヤニヤしながらこっちを見ている。
「・・・うるせー。見てんじゃねえよ」
肩に乗せてある腕を払い、やり場のない気持ちごとドカッとベンチに腰を下ろした。
「はあ。」
小さくため息が漏れる。