親が体験した怪奇譚/短編ホラー集ー家族愛編ー
その4


「最初に言っとくわ。お母さんは結婚する時、お父さんから過去のことを聞いていたの。つまり、それを承知で一緒になった。当然親にも反対されたし、すごく悩んだけど…」

母がそれでも父と結婚することを決断した理由…、それこそが娘の私が今まで知ることのなかった父の秘密だったのでしょう。
それは、父の祖先にも関係する深い事情も絡んでくると…。

「…お父さんが初めて人の物を盗んだのは小学生の頃だったそうよ。おばあちゃんの財布から100円玉3つ。その後は近所の駄菓子屋でお菓子とか…。数回そんなことを重ねたあと、お父さんは両親に打ち明けたそうよ」

ここでお父さんは父親に殴られることを覚悟で打ち明けたそうですが、意外にも両親は頭ごなしに叱らなかったらしいのです。

「おじいちゃんはお父さんに、実は…、と話をしたそうなの。先祖の言い伝えを…」

父が聞いたその”言い伝え”は、まさに驚愕極まるものでした。


...


父方の祖先は戦国時代のいわゆる”忍び”の出で、様々な事情で”裏切り者”になってしまったそうなのです。
そして、”組織”はある制裁を下したと…。
それは、伝来呪術を駆使し、100代先まである”業”を種付けるというものでした。

「要するに、窃盗の罪を末代まで犯し続けるさせるということだったようよ。恐ろしいわよね。それが、現代に至るまで連綿と続いてるっていうことなら。もちろん、家系はどんどん別れていくから、一族はどこにその呪いというか、呪縛がどの家筋に残っていくかずっと解析をしてきたらしくて…、結局、お父さんのところがまさに業を受け継いだ家筋だった訳ね」

私の目は点となり、呆然と固まってしまいました。




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