時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第五十二話 買い物も悪巧みの一環か


「早く迎えに来て下さってありがとうございます」

「楽しめたか?」

「さぁ、どうでしょうね」



オズワルド様は、馬車の窓に肘を掛け、黒い笑顔で見つめている。



「目的は何ですか?」

「面白いものを見せてやるぞ」



そう言って、邸に帰らずオズワルド様と乗った馬車は街に向かっていた。



「茶会はあと一時間位か?」

「ミシェルさんが来た時は早くお開きにしているみたいですよ。皆様疲れるみたいで」

「なら、もう行くか」

「どこに?」



訳がわからないままオズワルド様に連れられて行ったのは、ブティックだった。

入り口には従者のウィルが立って待っている。



「ウィル、どうしたのですか?」

「リディア様の為にオズワルド様が店を貸し切りにしました」

「はぁ……」

「好きなだけ買え」

「こないだ沢山頂きましたよ」

「気にするな」



オズワルド様はウィルに、「後は頼んだぞ」と言って私を連れて店に入った。



オズワルド様は椅子に座り、買い物の様子を眺めている。

しかもすっごく楽しそうに。

別に欲しいものもない為、悩んでいると、彼が一点もののドレスや帽子にと次々に購入し始める。



「そんなに沢山は……」

「気にするな。リディアには似合う」



そうして二人で買い物をしていると、ウィルが店のドアを開け声をかけてきた。



「オズワルド様、フォーレ伯爵が来られてます。お連れ様もご一緒です。買い物に来たそうですが」



オズワルド様は「来たな」と言ってウィルとフォーレ伯爵の元に行った。
何か話しているかと思えば、彼はフォーレ伯爵とミシェルさん二人を中に入れた。



挨拶もそこそこに、ミシェルさんは私の隣にやって来て買い物を始める。



「私も沢山プレゼントしてもらえますの」



自慢げにそう言うミシェルさんと違い、貸し切りにお邪魔したのを気にしてか、フォーレ伯爵は「すみません」と謝っていた。

オズワルド様は「このまま貸し切りにしてますのでご一緒にどうぞ」と笑顔でかわしていた。



ミシェルさんは私の買い物の量を見て張り合っているのか、勢いよく次から次へと品物を購入している。
その彼らを置いて、私達は買い物が終わった為、店を後にした。




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