とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
「な、なにも……。なにも、してない」
「俺のハンカチ握りしめて、なにしてたの」
「違います、これは」
「呼んでたよね、名前」
「よ、呼んでないっ」
首をふるふると左右に揺らした。
解放して。赦して。
そんな気持ちで縋るように、違う。違うの、と喘ぐように繰り返す。
説得力はまるでなくて、視界は潤みはじめた。
こんなの、気持ち悪いに違いない。
嫌がられる。拒絶される。
恋人ごっこの域をあまりにも超えた行為。
「ちが、う……」
力なく漏らすと、そっと目尻を拭われた。
あたたかい指先に、張りつめていた糸をふつりと切られる。
「かわいいことするな、君は」
本当に、この男はかわいいしか言わない。
「俺のハンカチ握りしめて、なにしてたの」
「違います、これは」
「呼んでたよね、名前」
「よ、呼んでないっ」
首をふるふると左右に揺らした。
解放して。赦して。
そんな気持ちで縋るように、違う。違うの、と喘ぐように繰り返す。
説得力はまるでなくて、視界は潤みはじめた。
こんなの、気持ち悪いに違いない。
嫌がられる。拒絶される。
恋人ごっこの域をあまりにも超えた行為。
「ちが、う……」
力なく漏らすと、そっと目尻を拭われた。
あたたかい指先に、張りつめていた糸をふつりと切られる。
「かわいいことするな、君は」
本当に、この男はかわいいしか言わない。