とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
「でも、お寿司もだけど、そこのブランド高いんだよ?」
「だとしても、受け取ればいいじゃん」
「僕は由紀ちゃんの気持ちもわかるなあ。貰いっぱなしはちょっと……ね」
波多野さんがやわらかく言った。
「しんちゃん、なんで由紀の味方すんの!」
「僕も同じような経験があってね。もうずいぶん前のことだけど、あのときは少し疲れたなあ。
もちろん、向こうは好意でしてくれてることなんだけどね」
「なに貰ったんですか」
「犬」
「い、ぬ?」
「と、その犬と暮らせるマンション」
波多野さんはのんびりと言い、図らずもリッチな元恋人とのエピソードを聞いてしまった康くんは、固く唇を結んで視線を落とした。
康くんはそういうことに関しては案外、繊細だ。
なにを貰ったのか訊いてしまった身としては、少し責任を感じる。
「でもね、由紀ちゃん。僕は邑木さんはけっこう、由紀ちゃんのこと知ってると思うな。
あの男、由紀ちゃんのこといつも気にしてたから」
「えっ」
びっくりして箸を止め、波多野さんの方を見る。
わたしと同じようにびっくりした康くんも、顔を上げて波多野さんを見た。
「え、由紀ちゃんは仕方ないとしても……康くん、気づかなかったの?」
今度は波多野さんが少しびっくりした顔で康くんを見た。
「だとしても、受け取ればいいじゃん」
「僕は由紀ちゃんの気持ちもわかるなあ。貰いっぱなしはちょっと……ね」
波多野さんがやわらかく言った。
「しんちゃん、なんで由紀の味方すんの!」
「僕も同じような経験があってね。もうずいぶん前のことだけど、あのときは少し疲れたなあ。
もちろん、向こうは好意でしてくれてることなんだけどね」
「なに貰ったんですか」
「犬」
「い、ぬ?」
「と、その犬と暮らせるマンション」
波多野さんはのんびりと言い、図らずもリッチな元恋人とのエピソードを聞いてしまった康くんは、固く唇を結んで視線を落とした。
康くんはそういうことに関しては案外、繊細だ。
なにを貰ったのか訊いてしまった身としては、少し責任を感じる。
「でもね、由紀ちゃん。僕は邑木さんはけっこう、由紀ちゃんのこと知ってると思うな。
あの男、由紀ちゃんのこといつも気にしてたから」
「えっ」
びっくりして箸を止め、波多野さんの方を見る。
わたしと同じようにびっくりした康くんも、顔を上げて波多野さんを見た。
「え、由紀ちゃんは仕方ないとしても……康くん、気づかなかったの?」
今度は波多野さんが少しびっくりした顔で康くんを見た。