とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
「やっぱりは君は細いな。もっと食べないと。そうだ、今度は旨い肉にでも」

言いかけて、邑木さんは口を噤んだ。
昨日のことを思ったのだろう。

大きな声を上げたわたしを一言も責めず、自分だけを抑えている。

もっと強引な(ひと)だと思っていた。
わたしはこの(ひと)のなにを知っていたのだろう。

「旨い肉って……焼肉ですか、しゃぶしゃぶですか」

「え?」

「だから、旨い肉って、焼肉ですか、しゃぶしゃぶですか」

早く言い終えてしまいたくて、早口で言った。

邑木さんがわたしの背後にいてよかった。
耳朶が、ひどく熱い。

「由紀ちゃんは、どっちが好き?」

邑木さんがゆっくりと訊いた。

「野菜と一緒に蒸したお肉が好きです」

「それじゃ由紀ちゃんが太らないな」

「太らせようとしてるんですか」

「そうだな。まあ、体質だってあるから無理に食わせはしないけど」
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