とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
食後のデザート、と言ってスパークリングワインに苺を入れて出す男の人は、どれだけいるだろう。
苺を齧りながら考えたけれど答えは出ず、わたしは別の質問を邑木さんに投げた。
「ああ、パッケリ」
「パッケリ?」
「そう、さっきのパスタはパッケリ」
邑木さんのつくってくれたトマトのパスタは、直径がゆうに二センチはある筒状のパスタが使われていた。
はじめて食べたそのパスタはむっちりとして、ラザニアを思い出させた。
パッケリ。パッケリ。
また食べたいと思ったわたしは、忘れないようにその名前を頭の中で繰り返す。
どこへ行けば買えるだろう。輸入食品を扱っているスーパーならあるだろうか。
パッケリ。パッケリ。
わたしはまた復唱する。
そうしているうちにその語感のせいか、スパークリングワインのせいか、なんだか少し愉快な気分になってきた。
ソファーにのんびりともたれかかり、酸味の効いたスパークリングワインを舌の上で転がす。