世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
「あー、変わってなかったな。根っこは。3ヶ月間何してたんだ? 働いてから何を得た?」
「頑張ってんじゃない! ゆーちゃんとひーちゃん帰ってきて欲しいから」
 腕を組み頬を膨らませて怒ってますアピールする。
「きっしょ、40前でこんなことしか出来ないの⁈ こんなの同級生でいたら総スカンよ? 親ガチャ外れね」
 陽鞠は手をひらひらさせながら煽る。
 目の前で子どもから親ガチャ外れと言われた結花は、泣き崩れる。
「全部自分で撒いた種でしょ? ねぇ? 娘から外れ呼ばわりされて、どんな気持ち? ねえ? ねえ? ねえ?」
 陽鞠は立ち上がって結花の顔に近づき追いつめる。
 結花は唇を噛みしめてじろりと陽鞠の顔を睨む。
「なんなの? その目は? 威嚇してるつもり? ウケるー!」
 手を叩いて大声を上げる。その姿に悠真は「もういい加減にしなさい」「言い過ぎだから」「お母さんに失礼だ」と低い声で窘める。
 しかし陽鞠は止めることなく、結花に罵倒の言葉を浴びさせる。
 まるで今までの鬱憤を晴らすかのようだった。
 
 あの人のせいで。私もお父さんも苦しんできた。
 元いじめっ子で男性を奪い取った人の娘であり、トラブルメーカーの娘であることを知った時、全てが繋がった気がした。
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