ストロベリーキャンドル

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少し落ち着いたから車に戻ろうと席を立った。歩いている最中何も考えなかった…考えたらまた泣いちゃうから…車に戻ってからもお母さんと何も話さなかった。きっと勘付いているんだと思う…きっと私の顔酷いことになっているから…嶺緒と何かあったんだろうとわかってくれている。


家に着いてからは家族のみんなが退院祝いをしてくれた。とても嬉しかった。そのときは嶺緒のことを忘れられた。お母さん、お父さん。お兄ちゃん。湊斗、音羽。みんながいてくれて本当によかった。

風呂に入っていたときふと思ってしまった。もし、嶺緒の記憶が一生戻んなかったらどうしよう。そうなった場合、嶺緒と別れた方がいいと思う。悲しいけどそれが一番いい方法だと思うから…

ずっと悲しんでしまうから…だから私は強くなる。嶺緒のために…見てて…私強くなるから…病院にいる貴方に向けてそう宣言した…
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