続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「何だ?……これ?」

見れば、ソファーの背もたれと座席の間に細長いペンのようなものが挟まっていた。

拾い上げた瞬間、実花子が、あっ、と声を上げる。

「ちょっと、嘘でしょ……それ……」

「え?何だよ。実花子の?」

ペンかと思ったのは、白いスティック状のもので、何かは分からないが、ピンク色の線が二本ついている。

「颯、見せて!」

実花子は、俺からその、白いスティック状のものを物凄い勢いで、取り上げると、切長の瞳を大きく見開いた。

「嘘……ラインが二本……妊娠してる……」 

「え?」

「これ、妊娠検査薬。昨日、私が、あの子にあげたの。昨日もあの子吐いてたから……」

(妊娠……検査薬……?)

俺は、あまりにも驚きすぎて言葉が出てこない。

「颯、あの子にちゃんと避妊してた?」

俺は、実花子の言葉に思わず口元を覆う。

美弥とのセックスの際、ゴムは使ったり使わなかったりだったが、中には出したことはなかった。

ーーーーただクリスマスのあの日だけ、俺は全く避妊しなかった。

「このラインが……美弥が……妊娠してるって事?」

あっという間に鼓動が、大きな音を立てていく。
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