続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「あ、梨花ちゃん、お客さん空いてきたから、私、外掃いてくる」
「寒いから、アタシいくよ!」
「ううん、大丈夫、ちょっと外の空気も吸いたいし」
お客様の来店のピークタイムも過ぎて、私は、店先を箒で掃いていく。エイトイレブンでバイトを始めて、あっという間に2週間程経った。
掃除をしていれば、目の前の道を、可愛らしい紙袋を抱えた女子高生達が、下校しながら、楽しげに談笑している。
(いいなぁ……)
ーーーー今日は2月14日。
あの子達は、いまから、恋人と会い、その紙袋の中のチョコレートを渡して、甘いひとときを楽しむのだろう。
(颯のお誕生日……せめて、おめでとうって言いたかったな……)
甘いモノが苦手な颯に、甘さ控えめのヒョウを象ったクッキーを焼こうと思っていたのに、叶うことはなかった。
颯と会えなくなって、約2週間。
颯の事を考えない日はない。
今頃、颯は、どうしてるだろうか。
ミャーとあの部屋で、二人で暮らしてるのだろうか。
それとも、康二の言っていた、お嬢様との婚約話が進んでるんだろうか。
ーーーーもう私のことなんて忘れてしまっただろうか。