続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「かと言って、分かってると思いますけど、今、大事な時なんで、美弥だけ見てると、足元掬われますよ?」

「分かってるよ。美弥に、約束したからな、副社長も辞めない、会社も渡さない、美弥と結婚する」

「そうしてもらわないと、僕が、諦めた意味ないんで……一応、僕もできるだけ、美弥見ときます」

「悪い」 

千歳は、黙ったまま、立ち上がると、扉を閉めた。

「はぁぁぁっ……」

俺は、誰も居なくなった部屋で、盛大に溜息を吐き出した。

嫌な予感しかしない。

千歳には、あぁ言ったが、麗夜に美弥を何かされる位なら、副社長なんか、さっさと辞めてしまいたい位だ。

ただ、あっさりと放り投げてしまえる程に、仕事にやりがいを感じてないかといえば、嘘になる。

自ら、現場に出向いて、市場調査して、投資すべき案件か否か、吟味しながら、土地を購入し、白紙の状態から、あらゆる関係者と綿密に打ち合わせを重ねて計画し、形にしていく。

何もなかった土地から、マンションや商業施設を、自らの手で創り出していく、今の仕事は、やりがいを通り越して、誇りにさえ思う。
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