切ない両想い
Epilogue
そんなことを思い出していた。

まだ眠っているダンをぼんやりと見ながら、ほんの1年前まで、ずっと友達だった彼が、今では夫になっていることを改めて思うと、人生ってわからないな…と思う。

去年、クリスマスの天使が二人を結びつけてくれたのだろうか?


私はずっと冬が大嫌いだったが、今はそうでもない気がしている。

ダンの足、暖かい…。

電気あんかは、もう要らないかな。


今日と明日は、お互いに休み。

もう少し、こうしていよう。

ダンが起きたら、きっと、いつものように私をあちこち連れて回りたがるだろうから。

しかし、それはそれで、またいい。

すっかり忘れていたが、今日はクリスマス・イヴだ。

恋人としては一度も一緒に過ごしていないけれど、家族として過ごせるほうが、きっと、もっと幸せだろう。

なかなか目を覚ましそうもない彼に、   

「私、幸せよ…」

そっと呟いて、もう一眠りしようと瞳を閉じた。



The End
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