切ない両想い
週が明けるとすぐ、私たちは籍を入れ、新居も探し始めた。

11月なんて、寒がりな私にはもう真冬同然だ。

物件巡りをしている最中も、私は着だるま状態。

そんな私のことを雪だるまみたいだと、からかうダンを軽くはたく。

「ごめんごめん。マオ、寒がりだもんな。あ、そうだ」

ダンは、すぐそこにあったコンビニに入ると、肉まんと暖かいお茶を買ってきてくれた。

そして、二人で公園でひと休みしながら、色づく街を眺めていた。

「少しは暖まった?」

そう尋ねられ、ありがとうと答える。

暖かいということは、幸せということなのかな…。

何となく、そんなことを思った。
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