【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
兄や姉は自分の想い人と婚約していました。
わたくしも婚約に憧れはありましたが、なかなか婚約者が出来ませんでした。

何故わたくしだけが婚約者が居なかったかと言うと、末っ子のわたくしは父に溺愛されているせいか、婚約者が決まりませんでした。

そんな中、柔らかい笑顔で父の心を掴んだレンティル様は見事と言えるでしょう。
それがわたくしが十五でレンティル様が二十五歳の時でした。


そしてわたくしが十六歳の時に結婚する事となりました。


幾つかの契約を交わしたのち、わたくし達は婚約関係となりました。
その中にはわたくしに結婚までは、手を出してはいけないといった内容も含まれています。

レンティル様はわたくしに優しい笑顔を向けて下さりますが、やはりそれは恋愛感情が伴ったものとは違う気がしました。

わたくしは何故かこの婚約が上手くいかないような気がしていました。
けれどそれを話したところで、父が意見を変えるとは思えませんでした。

そしてこの婚約は、私の予想通りの展開を迎える事となります。
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