【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
婚約関係は順調でした。
表向きは……。


レンティル様はとても女性の扱いに長けていて、エスコートもとても上手でした。
わたくしから見て、レンティル様はとても大人に見えました。


「今日も君は可愛いね」

「……ありがとうございます。この後、ご予定は大丈夫ですか?」

「あっ…今日はちょっと」

「そうですか。結婚式の事で話したい事があったのですが……」

「ま、また後日、ペルーシャ子爵邸に向かうよ」

「分かりました…では後日」


レンティル様はホッと胸を撫で下ろしています。

わたくしは初めからレンティル様の後ろに女性の影を感じていました。
バレていないと思っているのか、レンティル様は何事もなかったようにわたくしの元に来て、素晴らしい婚約者を演じては去っていきます。


「君の雪のように白い肌もサファイアのような……いや、ピンクダイアモンドかな?と、とても素敵だよ!」

「……」

「本当に可愛らしいよ!まるで兎のようだ」
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