【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
カサンドラを心配してくれている気持ちは嬉しかったが、カサンドラはボロボロで瞼も腫れていて、とてもブライアンと会える状態ではなかった。

その為、何度も断りの手紙を書いていた。



ーーコンコンッ



そんなある日、部屋に響いたノックの音に鼻を啜りながら返事をする。

部屋で泣いていたカサンドラの前に、颯爽と現れたブライアン。
背後には両親と侍女が嬉しそうに笑っていた。

呆然としすぎて動けないでいるカサンドラの涙を親指で拭ったブライアンは、悲しそうに眉を顰めた。


「こんなに目を腫らして……」

「……ブライ、アン?」

「君にそんな顔をさせる程に……あの男が好きだったの?」

「っ、いいえ!腹が立ちすぎて、悔しくて泣いているのよッ」

「………そうか」

「今は、世界で一番嫌いな人だわ…っ」


カサンドラがそう言うと、ブライアンはカサンドラの頬の涙の跡にキスを落とす。
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