【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
カサンドラは思わず、口元を押さえた。

まさかブライアンが、そんな風に自分のことを見ているとは思わなかったからだ。
ブライアンはいつも楽しそうにカサンドラの話を聞いてくれた。

カサンドラは幼馴染のように、気楽な付き合いだと思っていた。
まさかカサンドラを女性として意識しているとは思わずにカサンドラは驚いていた。

そしてその気持ちをストレートに伝えたカサンドラに対して、ブライアンは困ったように笑った。


「君との関係が壊れてしまうのだけは、絶対に嫌だったんだ」

「……ブライアン」

「少しずつでいいんだ……僕を男として意識してくれないか?」

「……でも、そんないきなり」

「カサンドラ……幼い頃から君だけをずっと愛していた」


カサンドラはもう二度と恋はしたくないと思っていた。
やはりエイヴリーに振られた心の傷が深く、立ち直れずにいたからだ。

それにブライアンの恋を応援していた自分の鈍感さにも、申し訳ないと思っていた。
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