【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
カサンドラは、ブライアンが留学する前に話した事を思い出していた。

ずっと婚約者がいないブライアンに「好きな人は居ないの?」と問いかけた事があったのだ。
「幼い頃から好きな人が居るけれど、その人は僕のことを好きになってくれるか分からないんだ」

「ブライアンなら大丈夫よ」

「振られたら一生立ち直れない気がするよ…」

「ふふっ、貴方をそんな顔をさせられるなんて凄いわね」

「ああ、とても優しくて美しくて……僕は彼女の事を心から愛しているんだ」


ブライアンの優しい表情を見たカサンドラは、温かい気持ちになった。


「貴方はもう少し自分に自信を持った方がいいわ!」

「ありがとう、カサンドラ……」

「でもブライアンに、それだけ愛されている相手は幸せね」

「そうかな……?」

「きっとそうよ」

「なら、隣国から帰ってきたら気持ちを伝えてみるよ」

「応援しているわ」


その時は深く意味を考えることはなかったが、ブライアンの話を聞いた今では、全てが繋がるような気がした。
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