【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
(ネストールside)


隣国へと留学を控えていたネストールは、溜息を吐いた。


自国を良くしていきたい、街を発展させて住みやすい国を作りたいと、日々働いていたネストールに、国王は「年相応に楽しんで来い。そんなんだから伴侶も出来ないのだ」と言われたネストールは、渋々隣国へとやってきた。

退屈な歓迎パーティーを済ませたネストールは、笑顔を貼り付けたまま自室へと戻った。
平和ボケとまでは言わないが、カリ王国は現状維持に力を尽くしている。
ハワード国王は頭がよく回るが、新しい事を取り入れようとしない。

そんなカリ王国で学ぶことなどないと思っていたのだ。

学園では昔から顔見知りであるホールデンが案内してくれる予定だったが、何故か現れたのはホールデンの婚約者だった。

(‥‥何を考えているんだ)

いくら婚約者といえど、自分の仕事を押し付けるなどありえないとネストールは驚愕していた。

しかしノエリアを見たホールデンは更に驚く事になる。

目の下には深い隈がくっきりと残っている。
異様に白い肌と細い腕。
明らかに上辺だけの笑みを浮かべたノエリアは表は完璧に見えたが、心は酷く疲れて悲しみに濡れているような気がしたのだ。
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