【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
過ごす時間が増えれば増えるほど、ネストールに惹かれている自分に気付いていた。
このままではホールデンを裏切ってしまう。
しかし途中でこの仕事を投げ出してネストールを拒否すれば、ネストールへの好意を疑われてしまうかもしれない。

ネストールへの気持ちはどんどんと膨れ上がる。
ノエリアは高ぶる気持ちを押さえながら、ネストールとの時間を過ごしていた。



ーーーネストールが隣国へ帰る日。



「もう気付いていると思うけど‥‥君が好きだよ、ノエリア」

「‥‥」

「君に酷な事を言ってもいいかい?」


ノエリアは静かに首を振った。
ネストールの声は微かに震えていた。


「僕を、選んで欲しい‥!」


ノエリアは叶うならばネストールの手を取りたかった。
熱い涙が込み上げてくる。


「御免なさい‥!」


ノエリアはネストールに背を向けて歩き出した。
次にネストールと会うのはノエリアとホールデンの結婚式だろう。


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