【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
丁度ネストールが国に帰るのと同時期にノエリアとハイメの母親が急逝。
ラランド公爵はすぐにドロシーと再婚したのだった。
母が居ながらもドロシーと関係を築いていた事が浮き彫りになった。
父の裏切りを知ったノエリアは静かに事実を受け入れた。
ハイメは初めは反発していたが、レイチェルとドロシーによってすぐに懐柔された。
愛情に飢えていたハイメは、2人が作り出す沼へどんどんと沈んでいく。
今までずっと欲っしていた優しい母親と姉の存在にハイメは喜び受け入れた。
そしてレイチェルとドロシーはノエリアの居場所を奪っていったのだ。
「詳しい話はヘレンから聞いているよ」
「‥‥すみません、ご迷惑を」
「迷惑な訳ないだろう?」
「ネストール様とヘレン様のお陰でわたくしは‥」
「ヘレンに聞いた時は耳を疑ったけど、むしろ願ってもないチャンスだと思った」
「え‥?」
「君には申し訳ないけれど、僕はずっとこんな日が来るのを待ち望んでいたんだ」
ネストールのゆらゆら揺れている灰色の瞳から目が離せなかった。
「国に帰ってから、ずっと後悔していた。あの時、君を攫ってしまえたのならどれだけ良かっただろう‥!」
「‥‥」
「君が好きだ‥!」