【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
再びネストールにこうして見つめられることが信じられないくらいに喜ばしいと思う自分がいた。

(こんな夢みたいなことが本当に起こるなんて‥)

ネストールと共に歩む未来を何度想像したことだろう。


「常に君の顔が思い浮かぶんだ‥‥国に帰った日からノエリアに会いたくて仕方がなかった」

「‥っ」

「‥‥もう、僕は我慢しないよ?」


ノエリアは自らを抱き締めるように腕を組んだ。
ノエリアはこのままネストールの手を取っていいのだろうか?
大嫌いな家族も煩わしい婚約者も、責任も全て捨てて、ネストールと共に生きていきたい。
そう思う事は罪なことだろうか‥?


「今すぐに、僕と結婚して欲しい」

「‥!!」


ノエリアは思わず息を止めた。
驚きすぎて声が出なかったのだ。


「大丈夫」

「ネストール様‥」

「君は今日、殺されたんだ」

「!?」

「牢の中で、暗殺者に」

「っ、どういう事ですか!?」

「レイチェルとホールデンに‥‥。正しくはドロシー・ラランドとレイチェルにかな」
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