【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
そして、わたくしは新しい人生を歩んでいく訳ですが、その前にクラリッサ公爵家についてご紹介致しましょう。
父と国王陛下は従兄弟にあたります。
公爵家はこの国において重要な役割を担っており、他国とのパイプを繋ぐ外交を主に任されています。
食料自給率が低いこの国にとって、外交をして食料を得る事は必要不可欠です。
母は隣国、ツーリエ王国出身で語学が堪能な才女です。
兄も小さな頃から父や母の後をついて回っていたからか、とても上手く交渉が出来るようで、クラリッサ公爵家の未来は明るいのです。
皆、自慢の家族ではありますが、コーディ殿下との婚約は国王陛下と王妃殿下の"お願い"によって決まりました。
不満はなかったといえば嘘になりますが、これも貴族に生まれた以上仕方のない事だと割り切っておりました。
しかしコーディ殿下はそうではなかったようです。
幼い頃から時間を共にしていましたが、残念ながら大きな成長は見込めずに、今回の事もなるべくしてなったとでもいいましょうか……。
何かにつけては不満を漏らして、自分がサボっていることを棚に上げて偉そうな事を言って、気に入らない事があると毒を吐き散らしているのを、今までずっと陰でカバーしてました。
しかしそれも今日で終わりと思うと清々しい気分です。
父と国王陛下は従兄弟にあたります。
公爵家はこの国において重要な役割を担っており、他国とのパイプを繋ぐ外交を主に任されています。
食料自給率が低いこの国にとって、外交をして食料を得る事は必要不可欠です。
母は隣国、ツーリエ王国出身で語学が堪能な才女です。
兄も小さな頃から父や母の後をついて回っていたからか、とても上手く交渉が出来るようで、クラリッサ公爵家の未来は明るいのです。
皆、自慢の家族ではありますが、コーディ殿下との婚約は国王陛下と王妃殿下の"お願い"によって決まりました。
不満はなかったといえば嘘になりますが、これも貴族に生まれた以上仕方のない事だと割り切っておりました。
しかしコーディ殿下はそうではなかったようです。
幼い頃から時間を共にしていましたが、残念ながら大きな成長は見込めずに、今回の事もなるべくしてなったとでもいいましょうか……。
何かにつけては不満を漏らして、自分がサボっていることを棚に上げて偉そうな事を言って、気に入らない事があると毒を吐き散らしているのを、今までずっと陰でカバーしてました。
しかしそれも今日で終わりと思うと清々しい気分です。