【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
肩で息をしながら此方を見ているコーディ殿下の"言い分"とやらを聞くまでは、どうやら帰して貰えないようです。
どう頑張っても状況は変わらないということは分かっていましたが、書類が届くまでの間、少し付き合ってあげようと思い口を閉じました。


「……」

「……ミネルヴァ・クラリッサ、お前はアンバーを妬むあまりに」

「だから、妬んでませんってば」

「……最後まで聞けッ!!」

「事実を述べて下さいませ。でなければ口を挟みます」

「くっ……!」

「続きをどうぞ?」

「ゴホン……お前はアンバーを妬……アンバーを気に入らないと言って虐げていたようだな!!」

「……」

「……」

「……」

「おい、何か言え……ッ!!」

「え…………?終わりですか!?」

「そうだ」

「コレだけ……?」
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