【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
わたくしを心配しているというよりは、悲しんでいるところを憐れみに…いや、見下しに来たのでしょう。

けれどそんなミランダ様の前で、わたくしは一切表情を変える事はありませんでした。
何があっても表情は崩してはいけない…貴族の令嬢としては出来て当然でございます。


「突然、婚約者が居なくなって寂しいんじゃないかしら…?」

「お気遣いなく」

「ッ!?」

「もう宜しいでしょうか?」

「ちょっ…まっ、まだ話は終わっていませんわ!」

「手短にお願い致します」


ミランダ様はなかなか思い通りの展開にならない事が悔しいのでしょうか。
どんどんと顔が険しくなっています。


「…っ、ヴァレンヌ様が卒業パーティーにパートナーが居なくて困っていらっしゃるかと思ったので、わたくしの友人と出席するのはどうかしら?」

「……」

「これでも申し訳ないと思ってるんですよぉ?」


ミランダ様の思惑が透けて見えたところで、わたくしは小さな溜め息を吐きました。
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