【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
そんな声が聞こえましたが、バレット様は大きなショックを受けているようで、ミランダ様の言葉は聞こえなかったようです。


「わたくしのことはお気になさらず、お二人で幸せな未来を築いて下さいませ」

「ヴ、ヴァレンヌ……!」

「では、失礼致します」

「パートナーが欲しくなったらいつでも言って下さいねぇ」


先程とは一転、落ち込んでいる様子のバレット様と上機嫌になったミランダ様に背を向けて歩き出しました。

ミランダ様が妙にパートナーを勧めてくるのが気になるところです。

(少し調べてみましょう…)

後はバレット様の縋るような視線の理由も気になってはいたのですが、先程の台詞と表情を見る限り、恐らくわたくしにバレット様との関係を後悔して欲しいのだと感じました。

ですが、わたくしに期待を寄せるのは余りにも傲慢です。

(早く動けばいいのに……煩わしいわ)

バレット様はミランダ様と結婚をしたいと、そろそろお二人に申し出ることでしょう。
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