落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「優しい者は皆そう言う。幻獣の歴史を見て、心を痛めたのがその証拠。俺はな、お前がホミを助け、ホミとリンレンがお前を助けたのを偶然とは思わない。パトリシアは、来るべくしてきたのだ。俺を憎悪の海から救いに、そして、人間の愚かさを正しに」
ヴィーは、力強く言った。その姿は、いつものぶっきらぼうな彼とは違い、ドーランの王の風格たっぷりで堂々とし眩しかった。
「ヴィーは、私がそんな大層な存在だと思いますか?」
「思う。なぜなら、この俺が、一目で惚れた女だからだ!」
「へ……え?」
なにをそんなに自信たっぷりに? しかも大声で! 恥ずかしいじゃないのっ。
思わず火照る頬を手で仰ぎ、私は軽くヴィーを睨んだ。しかし、その時気付いたのだ。先程までの悲しく沈んだ気持ちがすっかり消え失せ、代わりに明るい気分で胸の中がいっぱいになっていたことに。
ヴィーはもしかして、私を元気づけるために……?
答えは聞かなかった。きっとそれが、正解だと思ったからだ。
「ふふ。やっと元気が戻ってきたな。お前に悲しい顔は似合わない。笑っていてくれ」
ヴィーは、力強く言った。その姿は、いつものぶっきらぼうな彼とは違い、ドーランの王の風格たっぷりで堂々とし眩しかった。
「ヴィーは、私がそんな大層な存在だと思いますか?」
「思う。なぜなら、この俺が、一目で惚れた女だからだ!」
「へ……え?」
なにをそんなに自信たっぷりに? しかも大声で! 恥ずかしいじゃないのっ。
思わず火照る頬を手で仰ぎ、私は軽くヴィーを睨んだ。しかし、その時気付いたのだ。先程までの悲しく沈んだ気持ちがすっかり消え失せ、代わりに明るい気分で胸の中がいっぱいになっていたことに。
ヴィーはもしかして、私を元気づけるために……?
答えは聞かなかった。きっとそれが、正解だと思ったからだ。
「ふふ。やっと元気が戻ってきたな。お前に悲しい顔は似合わない。笑っていてくれ」