落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
そう、私はわかった振りをして本当はわかっていなかった。事実は思ったより根深かったのだ。彼らの壮絶な歴史も知らず、仲良く出来るかもなんて、単純に考えていた自分が恥ずかしい。
私の言葉を、ヴィーは真剣な顔で聞いていた。いつものように、豪快に笑い飛ばしてほしい、と思っていたけれど、それが無理なのはわかっている。今更こんなことを言われて、彼は困っているに違いない。
「まあ、そこに座ろうか」
石造りの長椅子を指差し、ヴィーが言った。素直に従うと、緊張しながら次の言葉を待った。
「はっきり言って、俺はまだ人間が嫌いだ。パトリシア以外の人間は、今でも焼き尽くしたいと思っている」
「はい」
「だが、前ほど怒りや憎しみを感じていないのも事実だ。お前という優しい人間と出会えたことで、俺の中のどす黒いなにかが、浄化されていった……そんな気がしてならない」
「私は、優しくなどありません」
私の言葉を、ヴィーは真剣な顔で聞いていた。いつものように、豪快に笑い飛ばしてほしい、と思っていたけれど、それが無理なのはわかっている。今更こんなことを言われて、彼は困っているに違いない。
「まあ、そこに座ろうか」
石造りの長椅子を指差し、ヴィーが言った。素直に従うと、緊張しながら次の言葉を待った。
「はっきり言って、俺はまだ人間が嫌いだ。パトリシア以外の人間は、今でも焼き尽くしたいと思っている」
「はい」
「だが、前ほど怒りや憎しみを感じていないのも事実だ。お前という優しい人間と出会えたことで、俺の中のどす黒いなにかが、浄化されていった……そんな気がしてならない」
「私は、優しくなどありません」