落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 書庫で思いのまま読書に耽る幸せな時間を過ごし、私とホミとリンレンはヴィーの屋敷をあとにした。
 書庫にはふたりの興味を引く書物がたくさんあったらしく、その中でも特に気になったものをヴィーに頼んで借りることが出来た。ホミは薬草学の本を何冊か、リンレンも料理本を数冊。帰り道の彼らは、とても嬉しそうで、私も自然と楽しくなった。
 しかし、次の日。
 なぜかヴィーが来ない。いつもは開店の三十分前に来てみんなとお喋りをするのに、今日は開店時間を過ぎても現れなかったのだ。
「王様、どうしたのかな……」
 沈んだ顔でホミが言うと、リンレンが答えた。
「寝坊かもしれないよ? 昨日はしゃぎ過ぎて、とか」
「寝坊、だったらいいんだけど。王様って大雑把でデリカシーがないわりに、時間には正確でしょ? だから、なにかあったのかなって勘繰っちゃう」
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