落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「幻獣も獣人も人間も……過ちを犯す生き物だ。その過ちに気付き、後悔したならすぐに正すこと。俺もとんでもない過ちを犯すところだったのを、皆に救われた。バーディア国王よ、お前も簡単なやり方で責任を取るのではなく、茨の道を進み、もう一度民を幸せに出来る道を模索せよ。まあ、その気があるのならな」
 ヴィーは天を仰ぎながら頭を掻いた。らしくないことを言った、と照れているのだろう。出会った頃のヴィーなら、間違いなくすぐに国王の首を刎ねていた。だけど、いろんなことがあって、彼の意識が変わったのを、私は間近で見ていたのだ。
「茨の道か……私に相応しい道だな。まずは、民に頭を下げて回ることから始めようかと思う」
「それがいい。ああ、殴られたり蹴られたりしても大丈夫だぞ。私が一瞬で治してやるからな。安心してやられて来い」
 いい話を一瞬で壊したのは、我が兄ダルシアだった。ヴィーが全てを許そうとしているのに、騙されたことを根に持ち嫌味を言うなんて、ほんと子どもなんだから。あれ? ひょっとしたら、ヴィーとダルシアはよく似ているのかしら? 不意に気付いてしまった真実に、私は頭を抱えた。
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