落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「そそのかされたとはいえ、我が国に対する宣戦布告、ドーラン国王として見過ごせぬ。ドーランの民は恐怖し傷付いた。また、パトリシアに対する極悪非道な仕打ち、この責をどう取るのか聞かせてもらいたい!」
「ドーランの王……ではあなたが竜、か」
「ああ。ヴィラン・ヴァン・ヴァンデッドだ」
「ヴァンデッド殿、パトリシア。今回のことは、全て私の不徳の致すところ。どうか、この首ひとつで水に流してもらえないだろうか?」
 この首ひとつ……国王は自分の命を捨てる気だ。君主の覚悟としては当然かもしれないけれど、そういうのはあまり好きじゃない。悪いことをしたら、その倍、いや百倍良いことをして返す。それが師匠ライガンの教えだったから。でも、それを決めるのはドーランの王であるヴィーだ。私たちは、固唾を呑んで彼の裁定を待った。
「いい覚悟だ! 早速その首を刎ねてやる……と思ったが、勘弁してやろう」
「え……どうしてだ? 私は許されぬことをしたのだぞ!」
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