落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「ほらほら、ふたりとも。喧嘩はやめて、向こうで食事にしませんか? そろそろリンレンの料理が出来上がるはずですよ?」
「ああ、もう昼か。では私はリンレンの手伝いをするよ。久々に美味しい飯が食べられるのだから、働かないとな!」
 ダルシアは、笑顔で駆け出していった。久しぶりに会う「弟」の料理が楽しみで仕方ないらしい。
「もう、あんなにはしゃいじゃって……ヴィー、私たちも行きますか」
「ああ。だがその前に! さっきの続きを聞かせてくれないか?」
「さっきの、続き……あ!」
 勢いで告白しそうになった件ね。でも、「聞かせてくれ」なんて改めて言われると照れ臭いし、言いにくい。うん、もう今日は無理。
「すみません、ヴィー。お腹が空いたので先に行きますねっ!」
「お、おいっ!」
 足早に駆け出すと、ヴィーが慌てて追いかけてくる。陽だまり雑貨茶房の店先にはみんなが集まっていて、私とヴィーの様子を楽しそうに眺めていた。
 幻獣の国ドーランは快晴。
 楽しい笑い声に包まれて、今日も明日も明後日も、私はみんなと暮らしていく。
                                          END
< 264 / 264 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:74

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
  • 書籍化作品
表紙を見る 表紙を閉じる
☆フェルナンシアの第三王女、ルキア、七歳。 粗末な廃屋に押し込められ虐げられていたルキアは、母国の敗戦により、敵国の名門エスカーダ公爵家に預けられることになった。 王宮から出られることを、密かに喜ぶルキアであったが、前世の憧れの人に激似のダリオンは、極度の人嫌い。彼の祖母、カトレアは引きこもり……と、エスカーダ公爵家にはいろいろな問題があって……☆ *START* 2021.11.13~ *END* 2021.12. 1
追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
  • 書籍化作品
[原題]追放された私は悲劇の聖女に転生したらしいです

総文字数/130,347

ファンタジー275ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ある事情により屋敷に閉じ込められていた伯爵令嬢ララは、世にも珍しい創造魔法の使い手と認められ聖女になった。 しかし姉や家族により陥れられ、婚約者であった王子に追放を言い渡されてしまう。 失意のララは気絶し……目覚めた時、前世を思い出していた! ここは『悠久のファルナシオン』という物語の世界。 生前読んでいたファンタジー小説の中である。 更には、聖女となった自分が「生贄」にされてしまう世界だと思い出し……。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 『どうぞ出ていって下さいと言っているのだから、お言葉に甘えるしかないでしょ?』 そう、自由になるチャンスは今しかない。 弱虫令嬢から気ままな旅商人へと姿を変えて、王都から逃げようと思います! *今回初めてテキストアップロード機能を使ったので、行間が狭く読みづらいかもしれません!申し訳ありません><* ☆バーバラ様、Tamaru様、素敵なレビュー、ありがとうございます!☆
能力を失った聖女は用済みですか?prequel

総文字数/2,871

ファンタジー5ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
能無しと捨てられましたが、真の聖女は私でした~聖獣と王様と楽しく働いているのでお構いなく!~ (原題:能力を失った聖女は用済みですか?) の前日譚SSになります! ①ある日、突然…… ②聖獣と私 短めですが、楽しんでいただけると嬉しいです!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop