落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「便利だからです。ユニコーンの姿で包帯は巻けません。それに、家屋に入るのも大変ですからね。コンパクトになっているのです」
「な、なるほど。そうですか、コンパクトに……」
 まあ確かに、そのほうが動きやすいわね。ユニコーンは馬。蹄で包帯を巻くのは至難の業……ていうか、想像するだけで笑いが込み上げてくるわ。
「獣人と違って、幻獣は本体が大きいですからね。でも、私なんてまだいいほうですよ。王なんて、そのままの姿だと家屋を壊しかねない……あ、噂をすれば帰ってきましたね」
 と、ティアリアスが言った途端、ドーンと大地を揺るがす音がした。音のすぐあとに地面が揺れて、私はバランスを崩しかけた。なんなの? 星でも落ちた? それとも天変地異?
「ちょ、ちょっと! 今、揺れましたけど、大丈夫ですか?」
「揺れたね」
「揺れた揺れたー!」
 ティアリエスとホミは楽しそうに言った。
「え? ひょっとして日常茶飯事なのですか?」
 地面が揺れるなんてこと、そうそう起こってもらっては心臓に悪い。これに動じないドーランの国民は、肝が据わっているんだなあ、と考えていると、突然救護所の扉が開いた。
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