落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「お姉ちゃんは綺麗だよ! 金色の髪は夜でもキラキラしているし、瞳はお空の色だもんっ! 優しくって綺麗なあたしの自慢のお姉ちゃんよ」
「ホ、ホミ……ちょっとそんな大きな声で、恥ずかしいわ」
 とは言ったものの、嬉しさのほうが勝っている。ヴィーがそう思ったかどうかは別として、ホミにそう思われていることが嬉しかったのだ。
 ずっと自分に自信が持てなかった。人に求められるのは優秀な兄だけで、落ちこぼれで才能もない私を必要としてくれる人はいないのではと考えていた。でも、ホミやリンレンは私を必要としてくれているのかもしれない。
 胸の中に希望の種が芽吹く。見上げて屈託なく笑うホミの手を、私はギュッと握り返した。
< 46 / 264 >

この作品をシェア

pagetop