君にたくさんのありがとうを
「ある時にね、友達の飼っていたペットが亡くなっちゃう夢を見たんだ。それを伝えちゃって、それが本当に起きちゃって……
それから俺は気持ち悪いって避けられるようになった」
神代くんにそんな過去があったなんて知らなかった。
神代くんはいつも明るくて、クラスのムードメーカーで、人気者で……
一度もそんなことはないと思っていた。
「それでクラスにひとりぼっちになっちゃってさ……そりゃ当時は寂しかったよ」
「そう、だよね……」
神代くんにもひとりぼっちの時があったんだ。
私と同じ。
「だからかな。詩織のことが気になって仕方がなかった」
「私のこと?」
神代くんは、私をまっすぐに見つめる。
その目に吸い込まれてしまいそうになる。
「ひとりぼっちだった詩織のことが放っておけなくなった」
髪の毛をスーッと撫でられる。
触れる神代くんの指でくすぐったい。
「それから詩織が目から離れなくてさ、詩織の夢をたくさん見るようになった」
ずっと関わりがなかったのに、なんで夢を見たのか不思議だった。
夢はそれまでの記憶を整理する時に見るもの。
やっとその理由がわかった。