君にたくさんのありがとうを
「詩織がひとりでいる理由って、あの噂が原因?」
「……うん」
「詩織の話も聞きたい。ちゃんと受け止めるから」
その言葉は、まるで抱きしめられているかのように温かい言葉だった。
私の過去の話をした人は誰もいない。
きっと神代くんは受け入れてくれると思うけれど、いざ話すとなると緊張してしまう。
「詩織のペースでいいよ」
「うん、わかった」
ゴクリと唾を飲み込んで、私は口を開いた。
「浅倉 英里と笹崎 未奈ってわかる?同じクラスなんだけど……」
「浅倉と笹崎ならわかるよ。去年詩織と同じクラスだっただろ?」
「うん。本当はあの2人と友達だったんだ」
もう1年も前の話だけれど。
本当にあの頃の私たちは仲が良かったと思う。
休み時間は必ず私たちの誰かの席に集まって話をしていたし、お弁当ももちろん一緒に食べていたし、移動教室だっていつも一緒だった。
帰り道に寄り道をして帰ったことだってあるし、休みの日に遊びに出かけたことだってある。
それくらい仲良しだった。