君にたくさんのありがとうを



「詩織がひとりでいる理由って、あの噂が原因?」


「……うん」


「詩織の話も聞きたい。ちゃんと受け止めるから」



その言葉は、まるで抱きしめられているかのように温かい言葉だった。


私の過去の話をした人は誰もいない。


きっと神代くんは受け入れてくれると思うけれど、いざ話すとなると緊張してしまう。



「詩織のペースでいいよ」


「うん、わかった」



ゴクリと唾を飲み込んで、私は口を開いた。



「浅倉 英里と笹崎 未奈ってわかる?同じクラスなんだけど……」


「浅倉と笹崎ならわかるよ。去年詩織と同じクラスだっただろ?」


「うん。本当はあの2人と友達だったんだ」



もう1年も前の話だけれど。


本当にあの頃の私たちは仲が良かったと思う。


休み時間は必ず私たちの誰かの席に集まって話をしていたし、お弁当ももちろん一緒に食べていたし、移動教室だっていつも一緒だった。


帰り道に寄り道をして帰ったことだってあるし、休みの日に遊びに出かけたことだってある。


それくらい仲良しだった。




< 168 / 205 >

この作品をシェア

pagetop