裏側の恋人たち
翌朝、掃除とシーツの洗濯をして空っぽになった冷蔵庫のために買い物に行く。
ゆっくり家事をするのも一週間ぶりかも。
なにせ今までは暇さえあれば瑞紀のお店に行っていた。
梅雨になる前に衣替えとキッチンとバスルームの掃除、エアコンの試運転もしておかないとカビに悩まされたら困ってしまう。
たまった郵便物の整理と片付けまでしていると時間はあっという間に過ぎていった。
今日の夜はワインの残りとちょっと豪華なデパ地下グルメ。
英気を養って明日からの仕事に備えないと。
疲れがとれにくくなったのは年齢のせいだとは思いたくないなあ。
丸一日家事をしてワインを飲んで布団に入る。
そういえば、昨日の朝に帰宅してから人と会話をしていないことに気が付いた。
明日の勤務まで誰とも喋らないんだろうな。
こんなこと、以前なら考えたこともなかった。
どうして急にこんなに孤独を感じてしまうのだろうーーーオジョウサマの結婚がきっかけで気が付いてしまった私の不安。
今まではただ瑞紀が好きだから一緒にいた。いや、一緒にいさせてもらった。
でも、やっぱりそれだけじゃイヤなのだと気が付いた。
瑞紀に受け入れて欲しいけれど、私じゃムリなんだと思う。
私でいいのならもうとっくに二人の関係は違ったものになっていたはずだ。
私が自分の気持ちに蓋をしてこのままでいるか、瑞紀が他の女を選ぶのを間近で見るか、それとも瑞紀の元を去るかーー選択肢は3つ。
あのコーディネーターの彼女のことは私の誤解だった。
瑞紀にそんなつもりはなく、彼女がぐいぐいと迫っていただけ。ただ彼女をその気にさせるような何かが二人の間にはあったのかもしれない。
「これからどうしようかな」
暗闇の中、それは思わず声になっていた。
瑞紀から離れることを私は選べるだろうか。
でも、このまま瑞紀といても私が望む将来は得られない。
愛する人と家庭を作り、お互いの生活に責任を持ちたい。子どもを授かり共に育てられたらなお嬉しい。
そんな生活だ。
それは同棲でも得られないし、今の恋人もいないような私には一番遠い夢物語。
仮に瑞紀との関係が進んでも、瑞紀は結婚を望まない。
瑞紀の将来設計の中に”結婚”の二文字はない。
『結婚なんて束縛されてお互い相手に振り回される契約じゃないか。よく決めたな』
あれはいつだったか、確かまだ私が瑞紀の自宅に出入りしてなかった頃だ。
瑞紀が友人であり従業員でもある将希さんにそう話しているのを偶然聞いてしまった。
「好きな女と一緒になりたいって普通の感覚だと思うけど」
そう言った将希さんに
「恋愛感情なんて一生のもんでもないだろう。それに相手だけじゃなくその家族もみんな背負うとか、そんな面倒ごと抱える決断をしたお前を尊敬するよ。一人の女に縛られるってだけでも大変なのにそれ以上だぜ」
と瑞紀は心底呆れたような声を出していたのだ。
それから将希さんにゲンコツをくらった瑞紀は結婚式の際の将希さんにたくさんの休暇とたっぷりとご祝儀をはずむことになったらしい。
ゆっくり家事をするのも一週間ぶりかも。
なにせ今までは暇さえあれば瑞紀のお店に行っていた。
梅雨になる前に衣替えとキッチンとバスルームの掃除、エアコンの試運転もしておかないとカビに悩まされたら困ってしまう。
たまった郵便物の整理と片付けまでしていると時間はあっという間に過ぎていった。
今日の夜はワインの残りとちょっと豪華なデパ地下グルメ。
英気を養って明日からの仕事に備えないと。
疲れがとれにくくなったのは年齢のせいだとは思いたくないなあ。
丸一日家事をしてワインを飲んで布団に入る。
そういえば、昨日の朝に帰宅してから人と会話をしていないことに気が付いた。
明日の勤務まで誰とも喋らないんだろうな。
こんなこと、以前なら考えたこともなかった。
どうして急にこんなに孤独を感じてしまうのだろうーーーオジョウサマの結婚がきっかけで気が付いてしまった私の不安。
今まではただ瑞紀が好きだから一緒にいた。いや、一緒にいさせてもらった。
でも、やっぱりそれだけじゃイヤなのだと気が付いた。
瑞紀に受け入れて欲しいけれど、私じゃムリなんだと思う。
私でいいのならもうとっくに二人の関係は違ったものになっていたはずだ。
私が自分の気持ちに蓋をしてこのままでいるか、瑞紀が他の女を選ぶのを間近で見るか、それとも瑞紀の元を去るかーー選択肢は3つ。
あのコーディネーターの彼女のことは私の誤解だった。
瑞紀にそんなつもりはなく、彼女がぐいぐいと迫っていただけ。ただ彼女をその気にさせるような何かが二人の間にはあったのかもしれない。
「これからどうしようかな」
暗闇の中、それは思わず声になっていた。
瑞紀から離れることを私は選べるだろうか。
でも、このまま瑞紀といても私が望む将来は得られない。
愛する人と家庭を作り、お互いの生活に責任を持ちたい。子どもを授かり共に育てられたらなお嬉しい。
そんな生活だ。
それは同棲でも得られないし、今の恋人もいないような私には一番遠い夢物語。
仮に瑞紀との関係が進んでも、瑞紀は結婚を望まない。
瑞紀の将来設計の中に”結婚”の二文字はない。
『結婚なんて束縛されてお互い相手に振り回される契約じゃないか。よく決めたな』
あれはいつだったか、確かまだ私が瑞紀の自宅に出入りしてなかった頃だ。
瑞紀が友人であり従業員でもある将希さんにそう話しているのを偶然聞いてしまった。
「好きな女と一緒になりたいって普通の感覚だと思うけど」
そう言った将希さんに
「恋愛感情なんて一生のもんでもないだろう。それに相手だけじゃなくその家族もみんな背負うとか、そんな面倒ごと抱える決断をしたお前を尊敬するよ。一人の女に縛られるってだけでも大変なのにそれ以上だぜ」
と瑞紀は心底呆れたような声を出していたのだ。
それから将希さんにゲンコツをくらった瑞紀は結婚式の際の将希さんにたくさんの休暇とたっぷりとご祝儀をはずむことになったらしい。