裏側の恋人たち
席に戻りまた周囲の人たちとの会話を続ける。
若い人たちの集まりは大学時代を思い出し予想以上に楽しい。
久しぶりの感覚に嫌なことを忘れビールも進んでしまうのは当然の流れだ。
「いい飲みっぷりだね。次回からも参加しない?たまにはこういうのも楽しいでしょ」
柴田さんが自分のお代わりと一緒に私の分も追加してくれる。
ありがとうとお礼を言って周りを見ると同年代がわいわいと楽しくやっている姿。
そういえばここ2年、瑞紀を追いかけまわしてばかりで、こんな飲み会に参加することもなかったなぁ。
会場が瑞紀の系列店舗じゃなければ参加してもいいかな。
「勤務表次第ですけど、ぜひ」
瑞紀のことをふっ切るための気分転換場所としては最適かもしれない。
落ち着いたら婚カツをはじめるつもりだし、仕事と婚カツの息抜き場所としても仕事に関わる情報交換としてもこの集まりはいい。
「じゃあおいでよ。来月の勤務表はもうでているの」
「明後日オンライン公開ですよ」
「こっちは第2第4土曜日が食事会有りの練習試合。その他に金曜夜に練習しててその後メシに行くからそっちの参加でもいいよ」
なるほどね。
練習後のご飯ってのも有りなら月に一回くらいなら都合がつけられそうだ。
「柴田さんの当直の予定は?」
「僕も明後日がシフト発表なんだ。予定が合うか連絡していいかな」
「もちろんです。私もできれば柴田さんや宮原さんがいらっしゃる日の方が安心なんで」
左右の二人ににこりと微笑むと、隣の宮原さんがぐほっとむせた。
「あら大変、大丈夫?」げほげほと咳き込む宮原さんの背中に手を伸ばして擦る。
「げほっ。ありがとう、僕も佐脇さんが来てくれると嬉しいです。時間に余裕があるときはサッカーの応援もしに来てくれたらもっと嬉しいんだけど」
清潔感があって愛嬌のある宮原さんは大卒二年目の若手で私より三つ年下。
その可愛らしさから勝手に弟のように思っている。
「うん、そうね。今日は30分くらいしか見られなかったから今度ははじめから行って応援するよ」
「ホント?約束ですよ。やった」
嬉しそうに右手の小指を差し出してくる宮原さん。
んー、それは指切りをして欲しいんだろうけど、そこは慎んでお断り。
さっきはナースの癖のようなものでむせた宮原さんの背中を擦ってしまったけれど、ノーマルな状態でのスキンシップはよろしくない。
かわいい系の宮原さんがこの集まりの中でずいぶん人気があることに気がついていたから、一定の距離感で付き合っていかないと。
これでも私は協調性がある方だから。
だてに何年も女の世界で生きていない。
「ごめん、指切りまではできないけど、時間に余裕があるときははじめから応援に行かせてもらうね。これでも今年は病棟の研究発表のリーダーもやってて忙しい身の上なの」
宮原さんも何か気付いたらしく申し訳なさそうに苦笑した。
どうやら私の意図を理解してくれたらしい。
「じゃあお待ちしてます」
あっさりと引いてくれて助かるよ。
若い人たちの集まりは大学時代を思い出し予想以上に楽しい。
久しぶりの感覚に嫌なことを忘れビールも進んでしまうのは当然の流れだ。
「いい飲みっぷりだね。次回からも参加しない?たまにはこういうのも楽しいでしょ」
柴田さんが自分のお代わりと一緒に私の分も追加してくれる。
ありがとうとお礼を言って周りを見ると同年代がわいわいと楽しくやっている姿。
そういえばここ2年、瑞紀を追いかけまわしてばかりで、こんな飲み会に参加することもなかったなぁ。
会場が瑞紀の系列店舗じゃなければ参加してもいいかな。
「勤務表次第ですけど、ぜひ」
瑞紀のことをふっ切るための気分転換場所としては最適かもしれない。
落ち着いたら婚カツをはじめるつもりだし、仕事と婚カツの息抜き場所としても仕事に関わる情報交換としてもこの集まりはいい。
「じゃあおいでよ。来月の勤務表はもうでているの」
「明後日オンライン公開ですよ」
「こっちは第2第4土曜日が食事会有りの練習試合。その他に金曜夜に練習しててその後メシに行くからそっちの参加でもいいよ」
なるほどね。
練習後のご飯ってのも有りなら月に一回くらいなら都合がつけられそうだ。
「柴田さんの当直の予定は?」
「僕も明後日がシフト発表なんだ。予定が合うか連絡していいかな」
「もちろんです。私もできれば柴田さんや宮原さんがいらっしゃる日の方が安心なんで」
左右の二人ににこりと微笑むと、隣の宮原さんがぐほっとむせた。
「あら大変、大丈夫?」げほげほと咳き込む宮原さんの背中に手を伸ばして擦る。
「げほっ。ありがとう、僕も佐脇さんが来てくれると嬉しいです。時間に余裕があるときはサッカーの応援もしに来てくれたらもっと嬉しいんだけど」
清潔感があって愛嬌のある宮原さんは大卒二年目の若手で私より三つ年下。
その可愛らしさから勝手に弟のように思っている。
「うん、そうね。今日は30分くらいしか見られなかったから今度ははじめから行って応援するよ」
「ホント?約束ですよ。やった」
嬉しそうに右手の小指を差し出してくる宮原さん。
んー、それは指切りをして欲しいんだろうけど、そこは慎んでお断り。
さっきはナースの癖のようなものでむせた宮原さんの背中を擦ってしまったけれど、ノーマルな状態でのスキンシップはよろしくない。
かわいい系の宮原さんがこの集まりの中でずいぶん人気があることに気がついていたから、一定の距離感で付き合っていかないと。
これでも私は協調性がある方だから。
だてに何年も女の世界で生きていない。
「ごめん、指切りまではできないけど、時間に余裕があるときははじめから応援に行かせてもらうね。これでも今年は病棟の研究発表のリーダーもやってて忙しい身の上なの」
宮原さんも何か気付いたらしく申し訳なさそうに苦笑した。
どうやら私の意図を理解してくれたらしい。
「じゃあお待ちしてます」
あっさりと引いてくれて助かるよ。