離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
「他社だけど、ゆうべちょっと重大な機体トラブルがあったのよ。うちでも主力の機種だから念のため整備確認ってことでスケジュールにいろいろ変更があったみたい」

 飛行機にはさまざまな機種がある。大型機のボーイング777などが一般的には有名だろうか。

「なるほど」

 昨日、桔平さんが急遽スタンバイに入ることになったのもそのせいだろう。パイロットもCAも過密スケジュールにならないよう勤務時間は徹底して管理されているが、大きなトラブルが起きた場合はそのかぎりではない。

(スタンバイのあとすぐにフライトか。桔平さん大丈夫かな?)

 彼はいつもどおりの凛々しい姿だけれどやっぱり心配だった。私があまりにもじっと見すぎていたせいか桔平さんもこちらに視線を向けた。パチリと目が合ってしまい私は慌てた。彼の熱い眼差しが刺さるようだ。

(仕事中は無理だけどこのフライトのあとに時間をもらえるかな? 少しでも早く桔平さんと話をしたい!)

『操縦席より機長の大門がご案内いたします――』

 機体が白い雲を抜けてしばらくしてから桔平さんのパイロットアナウンスが耳に届く。柔らかな声は乗客に安心感を与え、操縦席から見える景色の情報なども交えたその内容は旅のワクワク感を高めてくれる。彼はこのパイロットアナウンスが上手なことでも定評がある。
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