離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
 そう返事をしながら私はスマホを手に取りトークアプリの画面を開いた。差出人は慶一郎おじさんだ。私の父親代わりでもある彼は元パイロット。現在はJG航空経営統括室本部長を務めている。

【明日の夜は空いてるか? 久しぶりに食事に行こう】

 明日はオフの予定なので問題ない。私はイエスのメッセージを彼に返す。

「なんかうれしそうだね。いい話だったの?」

 夕菜に聞かれ素直にうなずく。

「うん。慶一郎おじさんからデートの誘い。会えるの久しぶりだからうれしくて」

 十歳で両親を亡くしてから就職するまでずっと慶一郎おじさんとふたり暮らしだった。就職を機にひとり暮らしを始めたら、彼と会える機会がめっきり減ってしまって少し寂しい。同じ会社といっても各地の空港を往復する私と本社ビルに勤める慶一郎おじさんが顔を合わせる機会はほぼゼロだった。

「いいなぁ。浜名本部長、渋いイケオジだもんね~。大門コーパイも素敵だけど好みでいえば私は浜名派だな」
「あはは。慶一郎おじさんに伝えておくね。きっと喜ぶよ」

 夕菜の発言はお世辞でもなんでもなく彼は本当にかっこいいから社内でも大人気だ。独身だからか若々しく四十代半ばにはとても見えない。

(独身なのは……きっと私のせいだよね)
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