私の恋は甘酸っぱくて、儚いものだった

「ねぇお母さん。今野春樹って知ってる?」
「え?今野くん?」
「知ってるの?!」
「知ってるも何もあなた今野くん大好きだったじゃない」
「どゆこと?」
「今野くんあなと幼稚園の時からの幼馴染でしょ」
「あの突然引っ越ししちゃった人?」
「そうよ。」
「でも、あの子は今野春樹じゃなくて佐藤春樹じゃなかった?」
「親御さんが離婚しちゃったんだよ」
「だから今野になったってこと?」
「そう。今はお母さんとお姉さんと暮らしてるのよ。」
「お母さん知ってたなら言ってよ〜」
「てっきりあんた知ってるかと思ってたわよ」
「知らないよ!突然転校生が来て、覚えてる?なんて言われて私はパニックだよ!」


お母さんたら…

「桜おはよう〜!」
「あずさおはよ!」

きゃー!!!!!!!
女子の歓声と共に一点に集まる女の群れ。


朝からそんな声どこから出しているのか。

「今野くんモテモテだね」

今野くん、、、、、、、、、
佐藤くん、、、、、、、、、

「おはよ」

突然目の前に彼が来て話しかけてきた。

「お、はよございます」
「なにそれ笑」

目をくしゃっと細めて笑う彼の顔はどこか可愛らしくて懐かしかった。

「あの、今野くん。」
「ん?」
「ちょっとお話したいことが、、、、」
「じゃ、お昼屋上でね。」
「うん!」


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