【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
なんて残酷なことを、俺は今話しているのだろう。 本当にそう思う。
「そして目を覚ました一ヶ月後、彼女は自ら命を……」
アユリはそんな俺の話を聞くと、俺の手をぎゅっと握りしめる。 アユリの涙が、俺の手の甲に流れ落ちる。
そして「ごめん……。ごめんね、レイヤ……ごめんなさい」と俺に泣きながら謝ってきた。
「アユリ……?」
「ごめん、私……ごめん……。辛いこと、思い出させちゃった……ごめん」
俺はアユリに「アユリが謝る必要なんてない。……気にするな」と声をかける。
「レイヤ……私、レイヤのこと、何も分かってなかったね……。レイヤがこんなに苦しんでたなんて、知らなくて……無神経なこと、言っちゃったよね」
「いいんだ、アユリ。 アユリのせいじゃない」
アユリがこんなに俺のことを想って泣いてくれるなんて……思ってなかった。
「ずっと……後悔してたんだね……」
「……そうかもしれないな」
彼女があんなことになったのは、元はといえば俺のせいだ。 俺が彼女を呼び出したりなんてしなければ、彼女はあんな目には遭わなかった。
俺が彼女を殺したも同然だ。 俺が、彼女の命を奪ったんだ。
俺は彼女の心も身体も、傷付けただけだった。