【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
夕飯の支度を終えた頃、お風呂から上がったカナトがタオルで頭を拭きながらキッチンの方へとやって来る。
「カナト、レイヤ今日帰り遅くなるって」
「へえ」
へえって……それだけ?
「なんか、飲みに行くことになったんだって」
「へえ」
また、へえだけ? んもう……。
「アイツ、浮気してたりして」
カナトはふと、言葉を漏らす。
「えっ?」
「飲みに行くとか言って、本当は浮気でもしてたりして」
「ちょっと、変なこと言わないでよ!」
レイヤに限って、そんなこと……。そんなこと、ある訳ない。
「浮気しててもおかしくなさそうだけど」
「なんでそういうこと言うの?」
「急に飲み会とか怪しくない?」
もう、カナトって本当に捻くれている……。
「そんなことないよ。仕事だったら、仕方ないことだし」
「もしそれが、仕事じゃなかったら?」
「え……?」
仕事……じゃなかったら?
「そう。もし誰か女と二人で飲みに行ってたら、それは仕事とは言わないと思うけど」
「……そう、かな」
「普通に考えたらそうだろ」
確かに、カナトの言うこともあるかもしれない。でも、そうじゃないような気もする。