溺愛執事と極上生活
混乱
明朝。

「ん…」
「おはようございます、風葉様!」

「はっ━━━━!!!!?名高さん!!?
なんで!?」
朝、風葉が起きると、毅登がベッド脇に腰掛け顔を覗き込んでいた。

ゆっくり風葉の頭を撫でていた。

ガバッと起き上がる、風葉。
「毅、登!」
「あ、毅登さん。
……………あれ?えーと…」

風葉は、昨夜の事を思い出していた。



『━━━━━━もうこんな時間ですね…
風葉様、もうお休みになってください。
明日も早いですし』
『え………』
頭を撫でる毅登を、風葉は切なく瞳を揺らし見上げた。

まだ、一緒にいたい━━━━━

『ん?風葉様?』
『あ、あの…私も、ワガママ言ってもいいですか?』
『はい。何ですか?』

『私が眠るまで、傍にいてください』

毅登は目を見開き、でもすぐに目を細めて微笑み、風葉の額にキスをした。
『はい!喜んで!』

そして毅登は、一晩中風葉の傍で寝顔を見つめていた。



「━━━━━毅登さん、ちゃんと寝ましたか?」
「いえ!風葉様の寝顔を見てたら、寝れなくて!」

「え!?ダメじゃないですか!?
今から休んでください!」

「大丈夫ですよ!
ほら、もうすぐ笹田さんが来られますよ!
僕も、一度部屋に戻りますね!
それに、朝礼と情報共有もありますので」

「はい…
ごめんなさい。私がワガママ言ったから……」

「違いますよ?
風葉様は、何も悪くない。
僕としては、とても嬉しかったんですよ?
あんな可愛いワガママ大歓迎です!
もっと、もっと聞かせてください!
寝れなかったのは、僕が風葉様から離れたくなかったからであって、貴女に何の非もない」



そして朝食中。

「━━━━━風葉様、お魚の骨をお取りしますね!」
「大丈夫ですよ!
自分で……」
「いえ!僕が風葉様のためにしたいのです!」

「━━━━━風葉様、あーんしましょうか?」
「え!?そ、それは、さすがに……////」

「━━━━━風葉様、お飲み物はよろしいですか?」
「はい。もう大丈夫です!」


とにかく毅登は、風葉のためなら何でもしたがる。
ついには、笹田の代わりに着替えの手伝いをしたいとまで言ってきた。

「ほんとに勘弁してください!
恥ずかしくて、どうにかなりそうです!/////

それはなんとか、阻止した風葉だった。
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