溺愛執事と極上生活
学校に出かける前、喜一郎に呼び出された風葉。

一人、喜一郎の部屋に向かった。
「失礼します。
お祖父様、風葉です」

「ん。そこ座れ」
「はい」

喜一郎の向かいに座ると、喜一郎が鋭く風葉を見据えた。

「単刀直入に聞く」
「は、はい」

「名高と、婚約したのか?」

「え?い、いえ…婚約はまだ……
あ、でも!
想いは、通じ合ったと言うか……」

「そう…か…」

「え?お祖父様?」

「昨日、武神の息子とは会ったのか?」
「あ、はい」

「そうか…
それで?
何か言われた?」

「母のことを聞きたいと…
亜嵐さんのお父様に聞かせてあげたいって。
だから、今日会ってきます。
お互い、親のことを話そうって誘ってくれたので」

「………」
「あの…お祖父様、どうし━━━━━━」

「別に、風葉の恋路を邪魔しようとは思ってない。
葉月の時に、痛い程思い知らされたから。
ただ…………」
「お祖父様…」

「いや、もういい。
下がっていいぞ!
早く行かないと、学校遅れる」

「え?お祖父様、私……」

「早く行きなさい」
「あ、は、はい…」

風葉は、心にモヤモヤを抱えて部屋を出た。



想いが通じ合ったことで、毅登の溺愛に拍車がかかる。
学校でも、毅登の溺愛は止まらない。

教室のドア前で━━━━━━━

「風葉様。
これからは、授業が終わるごとに会いにきますね!
………………はぁ…出来ることなら…授業中も傍にいたいです」

風葉の手を取り指を絡め、愛おしそうに額を風葉の額にくっつける。

「毅登さ…/////恥ずかし…です…////」
「すみません…
風葉様と離れたくなくて……
今、充電中です。しばし我慢を……」

そして毅登は、風葉の頬と手の甲にキスを落とした。


「ラブラブね…!」
一部始終を見ていた毬音にからかわれる、風葉。

「恥ずかしい/////」

「今度、四人で遊びに行かない?
ダブルデートって言うのかしら?
しましょ?」
「うん!」

それから毅登は、休み時間の度に風葉に会いに来た。

しかも、クラスメートの前とか関係なく(と言うより、風葉“しか”見えてない)風葉を抱き締め、頬を擦り寄せ、頬や額、手の甲等にキスを落とす。
(口唇は風葉が恥ずかしがり拒むからできない)

昼休みは、あの木陰で風葉を自身の膝の上に座らせ、中道の作った弁当を風葉に食べさせるのだ。
(毬音と敷波には、毅登が断りをいれた)
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