溺愛執事と極上生活
美間の言う通り、葉月の葬式や引っ越し、手続き等……まるで他人事のように済まされ、風葉はそのお陰で葉月の死をちゃんと悲しみ、整理することができた。

あっという間に、3週間が経った。

風葉は喜一郎に言われて、高校を転校した。


転校先は、星鈴川(せいりんがわ)女子学園という名門の女子高だ。
そしてこの星鈴川女子は、他の高校と大きく違うことがある━━━━━━


「行ってらっしゃいませ、風葉様」
後部座席のドアを開け、手を差し出し風葉を外に誘導した美間。

丁寧に頭を下げ言った。

「行ってきます、美間さん」


「あの人、誰?」
「ねぇ、あの家紋……」

「芥田神様?」
「ほんとだ!
あ、ほら!生き別れていた孫がいたらしいって、お父様が言ってたわ!」
「そうそう!ウチも聞いたわ!」



「えー、今日からこのクラスに入った芥田神 風葉さんだ。
みんな、わからないことを教えてやってくれ!」

「は、初めまして。
芥田神 風葉です!
よろしくお願いします!」

あの芥田神家と聞いて、風葉はあっという間に囲われ、色んな生徒が声をかけてきた。

「芥田神様!
今度、一緒にお茶どうですか?」
「私も!
ウチのシェフに、美味しいマカロンを作らせますわ!」

「はい。
では、皆さんで一緒に……」

「嬉しい!」
「光栄ですわ!」

(凄い…!本物のお嬢様だ………!)

みんな、上品で高貴な女性ばかりだ。

そして生徒の一人が言った。

「芥田神様は、執事はつけてませんの?」

「え?あ、はい」


そう━━━━━━
この星鈴川女子学園は、生徒一人一人に執事が常駐している。

執事科というクラスが存在していて、主人達の授業中は執事達はそちらで、各々執事の勉強等をしているのだ。
(基本的に、執事達はその間は自由だ)

もちろん全員ではないが、風葉のクラスは学園内でも特に高貴な令嬢ばかり。

執事がいないのは、風葉だけだ。

喜一郎には新たに雇うから選べと言われたが、風葉が断った。
(沢山の写真を並べられた)

美間の学園への送り迎えだけでも慣れないのに、執事を常駐なんて耐えられない。


「━━━━━名高様に、お願いしたらどうかしら?」

「え?」
(あ、確か……写真の中にもあったような……)

「とても素敵な方なんですのよ!」
「私がお願いしたいくらい!(笑)」
「フフ…里麻さんにはいるでしょ?(笑)」

「えぇ。でも、何度お願いしても断られたわ」

「え?どうしてですか?
皆さん、素敵なのに……」
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