こじれた俺の愛し方
 ナツが眠ってしまうと、俺は急いでシャワーを浴び、ナツの着替えと消化が良いよう粥と飲み物を用意する。

 先ほど、俺にそばを離れてほしくないとナツは言った。
 しかしそれは、俺がナツへの衝動を必死に抑えていなければならないということ。

 いっそのこと、今のうちにナツを奪ってしまおうか?
 もともとそうするつもりだったのだから。

 俺は今までの相手のようにはナツを諦めることができないだろう。
 決して逃げ出せないようにさえすれば…

「テイキさん…助けて…!」

 キッチンの隣の部屋で寝ていたナツの、突然の悲鳴。

 俺はすぐに部屋に駆け込む。

「…叔父さんがっ…私のこと、家に閉じ込めようと…!!帰りたくない…怖い…怖い…でも…!」

 恐怖を思い出したのだろう。
 泣きじゃくるナツは俺の胸にすがり付き震えている。

 …俺は、こんなナツに手を出せるのか…?
 俺が欲望を満たそうとすれば、ナツはもう誰を頼ることもできなくなるかもしれない。

 俺は自分の欲望を込め、弱っているナツに卑怯な言葉を囁き掛けた。

「…俺のそばをずっと、離れないでいてくれるなら…ナツを守ってやる……」

 それを聞いたナツは涙を拭いてから真っ直ぐに俺を見る。
 そして真剣な表情で言った。

「私、テイキさんのこと大好きですから、もちろんそばにいさせてください…!」

 …もうナツは、俺のものに…

 その晩は互いの熱を確かめ合いながら眠りについた。
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