crass
「…好きだったよ。ずっと。」

あの時、言えばよかった
なんて、思わなかった。
何も変わらないって思って
何も言わなかっただけなのに。

今も、言っても、変わらない。

なんとなく、あ、
抱きしめられてしまう、って
思って…すっと離れた。

涙は出ていたのかもしれない。

「あの時、その言葉を
聞きたかった…。
俺、自信なかったんだ。自分に。
試したんだ。亜輝を。」

もう、何も変わらない。

「仕事…しなきゃ。」
私は席に着いて、
泣きながら仕事を始めた。

私達はどうにもならない。
どうにかなりたいわけでも
どうにかしてほしいわけも
何も思ってなかった。
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